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心理カウンセラーが語るHSP/HSSの適職探しとトラウマについて


モモカ

「HSS型HSPは、複雑な気質を活かして、どんな仕事ができるのかな?」

クマ先生

「彼らは、好奇心と行動力は人一倍あるが、何しろ疲れやすい。やりたいことがあったとして、どうやって自分をコントロールしていけばいいのか悩むことも多いね。」

モモカ

「実際にHSS型HSPで、興味のあることを仕事にしている人っているの?」

クマ先生

「もちろん、いるよ。先日心理カウンセラーの、時田ひさ子さんがお話してくれた。そのとき、『トラウマをうまく解放して、過去の恥ずかしさや後悔に囚われないことが大事』と言っていたよ。」

モモカ

「過去のトラウマと仕事が関係しているの?詳しく教えて!」

目次

〔1〕ギフテッド系HSPは工夫してどんどん行動する

〔2〕共通しているのは人間関係の困難さ。原因は過去のトラウマ

〔3〕最善の選択をしているつもりでも、本当にやりたいことは巧妙に避けている

〔4〕本当のトラウマとは?

〔5〕複数の仕事を継続させるスーパーウーマンの過去

〔6〕お店の売り上げは順調なのに・・・

〔7〕心理学そしてHSPとの出会い

〔8〕仕事で才能を開花させるには、自分自身に立ち戻ることがスタートで基本

クマ先生からのメッセージ

〔1〕ギフテッド系HSPは工夫してどんどん行動する


「漠然と仕事で悩んでいるといっても、人それぞれ何に悩んでいるかは違います。過去のトラウマから、悩みをすり替えている可能性もあるので。」

そう話すのは、時田ひさ子さん。東京の八王子でHSP/HSSの研究をしている心理カウンセラーだ。そして、ご自身もHSS型HSP。

早稲田大学で心理学を専攻し、【好奇心旺盛で行動的なのに繊細で感動屋の複雑な性格を紐解き、もともと持っている能力を発揮させる研究家】として、毎月数十人のHSPをカウンセリングしている。

「HSPにも本当に色んなタイプがいるんですよ。大きく分けると、ギフテッド系の人と、そうじゃない人。

ギフテッドの人は、自分でどんどん工夫して行動するし、そうじゃない人は行動するまで時間がかかる。一人ひとりの特徴に合わせて、サポートしています。」

驚くことに、時田さんは二児の母。子育て真っ最中だ。さらに、子供服のリサイクルショップも経営している。

子育てしながらお店を経営し、大学にも通ってしまう。どうしたら、そんなにパワフルにやりたいことを実現していけるのか?

今回は、研究家としての意見と、ご自身の経験をお話してもらった。

繊細で疲れやすいのに好奇心旺盛な人が仕事を通して人生を充実させるには、どうすればいいのか。

本題に入る前に、最初に出てきたギフテッドについて、簡単に紹介しよう。

ギフテッドとは、生まれつき高度な知能を持った人のことだ。日本では馴染みのない言葉だが、海外ではギフテッド専門の学校も存在する。

主な特徴はこれだ。

【ギフテッドの特徴】

  • 興味のあることを見つけると自ら情報収集し行動も早い。
  • 物事の本質を見極め洞察力にも長けている。
  • そのため、学校の勉強を退屈に感じ、テストの成績が良くないこともある。
  • 好きなことには、とてつもない集中力を発揮する

HSPという繊細でとても敏感な気質を持ち、さらにギフテッドという高度な知能を持ち合わせている人が、一般的なカウンセリングを受けても効果が薄いのは想像がつく。

ギフテッドではないが、トラウマにがんじがらめになっていて、本来解決しなければならない問題に気づけない人もいる。

それが、HSP特有の問題であった場合、やはり専門的な知識を持つカウンセラーでなければ、根本的な生きづらさの解消にはならないだろう。

〔2〕共通しているのは人間関係の困難さ。原因は過去のトラウマ


では、そんな一筋縄ではいかない問題を抱えたHSPが人生を開花させる仕事を見つけ、さらにそこで輝き続けるにはどうしたら良いのか。

時田さんは【本流講座】として、長期にわたって併走するスタイルを取っている。

「HSP/HSSといっても、多種多様です。仕事ですごい成果を挙げている方もいれば、管理職の方も、管理職から降ろされてしまった方も、派遣社員で実力発揮している方も、アルバイトをやめ続けている方もいらっしゃいます。

仕事の出来るできないに関わらず、だいたい共通しているのは、周囲の人たちとの人間関係の困難さです。そしてその困難さの根源は、トラウマ です。」

トラウマとは、精神的なショックから心にできる傷のことだ。

語源は「傷」を意味するギリシャ語であった。そこから心理学者のフロイトが、過去に受けた心の傷がその後の行動に障害を与えることを、トラウマと定義した。

この心の傷が、仕事を選択する際に障害になっているということ。

「仕事が選べない理由も、仕事がうまく行かない理由も、本人の強烈な思い込みから来ています。一度そう思い込むと、その思い込みを簡単に手放すことがないので、一般の人たちよりも生きづらいと見ています。

なので、私の見解としてはトラウマをうまく解放して、過去の自分の実態からくる恥ずかしさ、後悔の念に、現在の自分が囚われないことが仕事に限らず生きやすさ全てに影響すると見ています。」

心理カウンセラー 時田ひさ子さん

〔3〕最善の選択をしているつもりでも、本当にやりたいことは巧妙に避けている


本流講座では、求人票を一緒に見て転職先を探したり、面接に行ったり、元の会社の上司とやりとりしてもらうこともある。

こんな働き方をしたいと申し出る人も、実はトラウマがあってそれを避けるように仕事を選んでいるからだ。

例えば、セクハラを受けたとか、いじめにあったとか。

他人が聞くと驚くような辛い経験をしていても、本人は覚えていない。むしろ、思い出さないようにしているのだ。

トラウマになった経験は、本人は無意識にしまいこんで、それがあったことすら思い出せません。そして、最善の選択をしているつもりでも、本当にやりたいことは巧妙に避けています。」

セッションの中で無意識に抑え込んだトラウマが明るみになり、本当にやりたいことが見つかったら、理想の働き方が実現するようにフォローしていく。

時には、LINEでリアルタイムに報告をもらうこともある。

「先日は、『今電車の中です。目の前の人に、そこに立つなと思われてる気がする。』という連絡が来ました。こんなことでさえ、ずっと気にしてしまう人たちですから、1度のセッションでは根本的な解決は難しいんです。」

同じ環境にいるHSPでも、気になることは人によって違う。だから、複数回のセッションで、少しずつ解きほぐしていく必要があると気づいたそうだ。

「メンタルのことを扱っているだけでは、生きやすくはならないんです。社会との関わりの中で生まれた生きづらさを、一人でどこかにこもってなくすことはできないんですね。

通常のカウンセリングというと、カウンセラーがクライアントの話をただ聞くイメージが浮かぶ。しかし、時田さんの講座は具体的に行動面でのアドバイスがある。

だからこそ、本流講座を受けることができる人は限られる。

「相手がこの人(時田さん)なら相談できると思ってくれて、私もこの人なら心から手助けできるだろう。という人だけ、本流講座をご案内します。」

サラッと発した言葉だが、一人ひとりときちんと向き合いたい、という意志が強く感じられた。

〔4〕本当のトラウマとは?


男性は、HSS型HSPだと思い込んでいる人がいる。

本当は平和主義で穏やかで静かに1人でいるのが好きなのに、無理やり男性的に振る舞ううちに、それが自分の本当の姿だと思ってしまう。

行動的で刺激が好きというHSS的な特徴が、実は「男らしくいなければいけない」という思い込みから、後天的に身についたスキルになっている可能性があるんだ。

この場合もトラウマが関係してくる。先ほど説明したように、大きなトラウマほど本人は気づかない。(思い出さないように無意識の中に隠されている。)

自分でトラウマだと認識できるものは、大抵トラウマではないんです。 本当のトラウマは『上手くいかない理由はここですよね?』と尋ねても、最初は全く腑に落ちないくらい想像を超えたものなんです。」

時田さんは、腑に落ちないことこそ、しつこく深掘りすると言う。

こうした、自分では思い出すことができないけれど、人生を切り開くのに大事なエピソードを抱えている人は実に多い。

HSP非HSS(特に男性)が、自分のことをHSS型HSPだと誤って認識してしまう現象も、こういった記憶のカラクリが原因かもしれない。

「HSP非HSSとHSS型HSPの違いは、会話のスピードです。話の内容がとっ散らかって次々に色んな話題が出てくるのはHSS。展開が早いんですよ。」

HSSの大きな特徴は、衝動性だ。思いついたことを、いつまでもあっためておくことが苦手だし、失敗や叱責も恐れない。

「HSSはやりすぎるし、HSPは慎重すぎる。だから、セッションでは苦手な部分をサポートするようにしています。」

衝動性に関しても、それがどのように表出するかには個人差がある。ここでもまた、一人ひとりに合わせるという丁寧な対応をしている姿が伺えた。

〔5〕複数の仕事を継続するスーパーウーマンの過去


さて、ここからは時田さん自身のお話を紹介したい。どうやって、現在の活動にたどり着いたのか?

最初にお伝えしたが、時田さんはHSS型HSPで、二児の母で、社長で、カウンセラー。それだけじゃない。学校のPTA活動もこなし、不動産経営もする。

「複数の仕事を継続するにあたって心がけていることは、スケジュールをキツキツにし過ぎない事 です。

キツキツになると、自分で好きでやっていることを被害者のようになることがわかっているので、自分に言い訳させないためです。

仕事をしていて、HSP/HSS気質で良かったなと思うときは、アイディアがすごいことと深く知れる喜びがあること。それから、同じ気質の人の才能にふれたときに無常の喜びがあります。」

HSS型HSP気質を上手くコントロールし、底知れぬバイタリティを持つスーパーウーマンのように見えるが、実は相当な努力と工夫と行動の結果が現在の姿なのだ。

「HSPを知る前は、天職さえわかれば、仕事に打ち込めるのになー と独りよがりなことを考えていました。32歳のときに自営業を始めて、商い=飽きない だと聞いていたのに飽きたことに絶望していました。

楽しいと思った仕事も、5年やると飽きるということを証明してしまったので、このまま5年スパンで仕事を変えつづけていくことを考えて不安になっていました。」

今では、HSPに適職はないと言い切る時田さんも、自分が仕事に打ち込めないのは天職に出会っていないからだと考えていた。

では、HSPを知った今同じように仕事に迷ったら、どうするのか。

「今再びその状況になったとしても同じようにやると思います。32歳で独立して、やりつくしたらやめる。

そのとき、自分には興味が別にあるということもわかっているので、興味のあることをやれる準備をすることは忘れないよう、ぬかりなくいたいものですが、きっと好奇心に負けます。お金がなくてもやれるはずと、がむしゃらにやると思います。」

天職を探し求めていた時田さんは、どうやって現在の仕事にたどり着いたのか。独立して起業しようと思った理由を聞いてみた。

「出産前は予想もしていませんでしたが、子どものそばにいたいと思ったから。 会社に往復3時間かけて通勤するよりも、地元で稼ぎたいと思いました。」

多くの社会人は、仕事に生活を合わせる。会社に〇〇支社に配属と言われれば、どんなに遠くても新幹線に乗って通勤する人もいる。

始業時間に間に合うように家を出て、会社が決めた曜日に休む。

ごく当たり前のように見えるが、実は全く逆の働き方もできる。時田さんが独立した理由が、まさにそれだ。お子さんのために、生活に仕事を合わせる道を選んだということ。

〔6〕お店の売り上げは順調なのに・・・


独立を決意した時田さんが最初にやったことは、ビジネスの勉強だ。

「産休育休のタイミングでビジネスの勉強をしました。育休明けに復帰できる保険があったことと、30代は体力があったので、今よりも多く行動できました。

具体的には、フランチャイズの情報を集めました。理由は、既に方法が確立されていて参入しやすいからです。

それでいて、あまり規模が大きくなければ、マニュアルも厳しくないですし。そういう条件で、様々なお店に見学に行きました。」

「パン屋さんとか色んなお店を見た中で、子育てしているお母さんには興味を持てるなと思ったんです。そこで、子供服のリサイクルショップを始めることにしました。」

これだと思ったらすぐに行動するが、リスクにも慎重なHSS型HSPの性質は、こういうところで活きてくる。行き当たりばったりに見えて、実は周到に計画されているのだ。

当時のリサイクルショップ市場は、未成熟だったこともあり、時田さんのお店は順調に売り上げを伸ばした。ところが、しばらくすると経営に飽きてきた。

「物売りは飽きるし、どうすれば売れるかもわかるからつまらないんですよ。お店を始めた当初は、会社員に戻りたいと思ってました。

会社では、やりたいことがあった時に資金や人が用意されていて、あとは自分の裁量でできますから。小さいお店は、資金を集めるのも大変だし、変化が少ないので。」

大抵の仕事は成果を出せるから、すぐに飽きてしまう。こういった飽きやすいHSS的性質からくる悩みは、会社員でも自営業でも付いて回る。

軌道に乗るお店の売り上げに反して、時田さんの興味は薄れていった。

ちょうどその頃、子育てにも悩み始めた。解決できない問題は、HSS型HSPにとって美味しすぎる刺激だ。

どうにか子供と心を通わせる方法はないかと、アドラー心理学の勉強をすることにした。

そんな矢先にインターネットで情報収集していると、マインドブロックバスターの存在を知る。

〔7〕心理学そしてHSPとの出会い


マインドブロックバスターとは、片手に軽く触れるだけで、心のブロックを解除できるセラピー技法だ。

2010年に開発された新しい技法で、霊的な能力がない人でもできるという。

子供と心を通わせる方法に悩んでいた時田さんは、マインドブロックバスターのカウンセリングやセミナーを受けた。その中で自分の過去のトラウマにも向き合い続けることになる。

ところが、ある違和感がどうしても気になった。

「カウンセラーの中にも『この人私の話を理解していないな』という人が結構いることに気づいたんです。それで、自分もやってみようと思って、マインドブロックバスター講座を受けました。

やってみると、これはできるなという感覚があったんです。それでお店で少しずつやっていると、ビジネスとしていけるという確信になり、カウンセリングをスタートさせました。

ここでも、子供との関わりがきっかけとなり、新しい仕事を始めることになった。

マインドブロックバスターとして、しばらくカウンセリングをしていると、その中で自分に合う人と合わない人がいるということに気づく。

それがHSPだった。

〔8〕仕事で才能を開花するには、自分自身に立ち戻ることがスタートで基本


常に目の前の課題に真剣に取り組み、思いついたことを次々と形にしてきた時田さん。

今、仕事に迷っているHSPに対して、こんなメッセージを送ってくれた。

やりたいことを見つけることと仕事を継続することとは繋がらないと思います。 やりたいことを継続しているHSPでも、途中で変化させていますから。

転職を繰り返すHSPは、自分のやりたいことを直感的に選択する勇気を奪われた状態(心が枯渇している状態)です。勇気を取り戻すために、自分を潤わすことが必要。

さらにHSPが仕事をしていくうえで必要な人間関係のスキルは、相手に好かれつつ自己主張する会話術。

繊細で疲れやすいけど好奇心旺盛な人が、仕事もプライベートも充実させるには、自分のペースを尊重することが大事です。他人の目線で動かないということ。

過去の自分が、今の自分にあたえている影響は大きく、行動や思考や認知を制限しています。

過去の経験からできたトラウマ(わだかまり)は無意識にあるものなので、時間をかけてゆっくりほぐす必要があります。急激にやると、それがトラウマになりやすいからです。

トラウマがどれほど自分に影響を与えているかを知ることは、本人にしかできませんので、ご本人の中であがってくるものを頼りに解消していくしかありません。

仕事をしていて不都合だと思うことも、人間関係でうまくいかないことも、家族関係がしっくりこないことも、人生に起こって来る問題すべてにトラウマは関わっていますので、 仕事で才能を開花するには、実はシンプルに自分自身に立ち戻ることがスタートであり、 基本です。

ただ、30代では、がむしゃらにやってもいいと思います。それが財産になりますし、30代でやったことからその先が出てくるからですね。」

クマ先生からメッセージ


好奇心旺盛で行動的、だけど疲れやすくて繊細。そんな複雑な気質を持つ人が、仕事を通して人生を輝かせるにはどうしたらいいか。

実際のところ適職とは何なのか。

そんな疑問に対して真摯に答えてくれた時田さん。仕事とは、人生を豊かにする手段にすぎないのだ。

天職や適職に出会えることは、とても素敵なことだけど。天職や適職が1つじゃなきゃいけないルールなんてない。好奇心を満たすことを目的として、それを実現する手段として仕事がある。

時田さんと話していると、そんな気持ちになった。

HSP/HSS研究家の活動には飽きていないのか?今後やりたいことは?と聞くと、

「今は、特に夢はないなぁ。あ、80歳くらいになったら沖縄とかで占いのおばあちゃんみたいなのやろうかな。

近所の人がお客さんだよーって呼んだら、店の奥からハイハイって出てきて占いするみたいな。そういうの良くない?」

と笑いながら教えてくれた。やりたいことをどうやって仕事にするか考える。そういう発想が持てると、すごく自由になれそうだね。

【時田ひさ子さんのセッションを受けたい方】

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