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境界線を引くのが苦手な人は、相手の境界線も無視する


モモカ

「前回のお話で境界線についてはわかったよ。だけど、HSPと境界線の関係はよくわからないなぁ。」

クマ先生

「繊細で敏感な人(HSP)は境界線が薄いと言われていているよね。実際に境界線を引く方法はたくさんあるんだ。」

モモカ

「方法は沢山あるのに、苦手意識がなかなか消えないのはなぜ?」

クマ先生

「良いところに気がついたね。今日は、その原因をお話しよう。最後に、HSPが境界線を引く方法の1つを紹介するからね。

目次

〔1〕境界線を引くのが苦手な人は相手の境界線も無視する

〔2〕HSP気質やアレキシサイミアは境界線にどう関係するのか?

〔3〕ダブルバインドの影響が境界線を引くことを困難にする

〔4〕HSPが境界線を作るにはクマ先生からのメッセージ

〔1〕境界線を引くことが苦手な人は相手の境界線も無視する


境界線とは自分と他人の責任の範囲を明確にすること。そして、仕事・感情・時間などで、物の所有権を主張できる力でもある。

自分の境界線が曖昧な人は、他人の境界線も越えやすい。

そもそも、人間関係で境界線を引くという意識がないからだ。本来の役割を越えて、相手の人生の主人公になろうとする。

例えば、友人が困っているとき。それは本人が取るべき責任なのに、代わりに責任を取ろうとする。自分の境界線を知らない人は、相手の境界線も越えやすいということ。

ところが、Highly Sensitive Person(HSP)特有の気質から境界線を作ることが困難な場合がある。

境界線について詳しく知りたい人は、このお話を読んでね。

▷「また断れなかった」他人と境界線を作れない本当の理由

〔2〕HSP気質とアレキシサイミアは境界線にどう関係するのか?


境界線を作ることとHSPの気質にどんな関係があるのか?

それは、HSPが本音と建前を見分けることに長けているからだ。

HSPは、生まれつき右脳の働きが活発で五感が鋭い。些細な声のトーンの変化や表情の変化を感じ取る。視覚情報や聴覚情報を深く処理する脳を持っているんだね。

これらの気質から、感覚でのコミュニケーションを好む傾向にある。音楽や写真に心を揺さぶられたり、人間同士でも感情のつながりを大切にする。

逆に、言語でのコミュニケーションが苦手な人が多い。自分の感覚を言葉で表現すると、軽くなってしまうような気がする。

また、相手の言葉よりも表情や声のトーンなど、なんとなくの雰囲気を重視するんだね。

第六感が優れているHSPだからこそ、非言語コミュニケーションを大事にする傾向があるのかもしれない。

つまり、言葉に惑わされず、五感で得た情報から相手の気持ちを察知することができるんだ。

「何も言われていないけど、なんとなく辛そうだから助けなきゃ」

ということが、しょっちゅう起きる。

さらに、言語でのコミュニケーションが苦手な原因として、アレキシサイミア(失感情症)が挙げられる。

アレキシサイミアとは、感情を言語化するのが苦手な性格特性のことだ。

では、HSPでアレキシサイミアだったとしたら?

境界線を引くことが困難になる理由は、次のように考えられるね。

  • 右脳の働きが活発なため、些細な表情や声のトーンの変化から本音を見抜くことができる。
  • 少しの刺激でも感じ取るため、相手の心理や健康状態が、すぐにわかってしまう。
  • 人間関係では感情を優先しがちなので、まず相手の気持ちを考える。
  • アレキシサイミアだった場合、内面より外的な事実に関心が向くので、自分の感情がわからなくなる。

さらに、生育環境で【ダブルバインド】にさらされていると、さらに境界線は引きづらくなる。

〔3〕ダブルバインドの影響が境界線を引くことを困難にしている


ダブルバインドとは、二重拘束という意味だ。例えば、よちよち歩きをしている赤ちゃんに、お母さんが笑顔で「こっちにおいで」と言いながら手招きしたとする。

この場合、赤ちゃんは

「お母さんが笑っているし、おいでの手をしているから安全なんだ」

と認識して、お母さんの元へ歩いて行く。

しかし、お母さんが眉間にしわを寄せ、さらに低い声で「こっちにおいで」と言いながら、同じように手招きしたとする。

すると、赤ちゃんは

「行ってもいい合図をしているけど、顔では危ないよと言っている気がする」

と、相反するメッセージを受け取り動けなくなってしまう。これがダブルバインドだ。

大人の場合は、例えばお母さんから

「あなたが幸せになることが、私は一番嬉しいの」

と言われたのに、彼氏の話をすると、すごく嫌そうな顔をされたとしよう。

ここで、非HSP(些細なことを気にしない人)は表情の変化に気づかない可能性がある。お母さん自身も、自分の本音に気づいていないかもしれない。

しかし、HSPは些細な変化もキャッチする脳を持っている。だから、お母さんの表情の変化も敏感に読み取るんだ。

「お母さんは、私に彼氏ができるのが嬉しくないのかも。」

「お母さんが喜んでくれる彼氏じゃなきゃ。」

「お母さんが悲しむと、私も悲しい。」

こんな考えに、いつの間にか支配される。そして、お母さんが子離れするチャンスを奪ってしまう。

〔4〕繊細で敏感な人(HSP)が境界線を作るには


HSPが境界線を作るには、相手の感情は相手のものだと、しっかり認識する必要がある。そのために、 日頃から神経の高ぶりに気を配ろう。

「いま、私の心は落ち着いているな。」

と自分の心の注意を払い、平常心がどういう状態なのか把握できるようにしておく。

そうすると、急に悲しくなったり突然イライラしたり、感情が揺れたときに

「あ、いま神経が高ぶっているな。これは私の感情?他の誰かのもの?」

と、落ち着いて判断できるようになる。

これができるようになると、今度は相手の感情とも距離を保つことが可能になる。そして、

「この人が怒っているのは私に対してではなく、自分のペースで仕事ができないからだな。」

と、感情と出来事を分けて考えられる。

これができれば、相手がやるべきことと自分がやるべきことを整理できるようになるんだ。

この感覚は、慣れていないとわからない。だけど、繰り返し練習することで、自分の心と体の傾向がわかってくるようになるからね。

クマ先生からメッセージ


最後に今日のお話をまとめよう。

  1. 自分の境界線を引くことが苦手な人は、相手の境界線も容易に超える。なぜなら、人間関係で境界線を引くという意識がないから。
  2. HSPは直感力に優れている一方で、言語でのコミュニケーションが苦手。
    アレキシサイミアである場合は、そもそも感情を認識することが苦手。よって、境界線を引くことを困難にしていると考えられる。
  3. ダブルバインドとは、言葉とそれ以外が発するメッセージが異なっているときに起きる。
    非言語コミュニケーションに長けているHSPは、相手の言葉の奥の感情を読み取り、そちらを正しい感情と認識する。よって、ついつい助けたくなる。
  4. 相手の感情の影響を受けやすいHSP。境界線を引くには、日頃から神経の高ぶりをチェックする習慣をつけよう。繰り返し練習することで身につく。

境界線を引くことは、壁を作ることではない。暗い部屋に閉じこもって、自分の好き勝手に振る舞うことでもない。

お互いの限界を知ることで、できること・できないことを明確にすることだ。

その結果、心身ともに健康な状態で、長く人間関係を続けることができる。そして、不必要な争いを避け、本当に心地よい人とだけ付き合っていくことができるんだ。

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