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感情を言葉にできないアレキシサイミア。HSPの仕事と怒られ力


モモカ

「最近気づいたんだけど。私はいつも何か頑張ろうとすると体調を崩すの。」

クマ先生

「それは、感情を感じて言語化する力が弱っているのかもしれないね。」

モモカ

「確かに嬉しいとか悲しいとか、言葉にするの苦手かも。でも、それと体調を崩すことに関係があるの?」

クマ先生

「HSPは限界以上に頑張ってしまう。体調不良で仕事が続かないことで悩んでいる人も多い。理由は、感情を感じるのに時差があること、怒られたときの感情への対処法を身につけていないからだ。」

モモカ

「繊細で敏感な能力を生かすには、その2つが必要ってことね。」

目次

〔1〕仕事がんばる病とHSP

〔2〕「やりたくない」が言えないアレキシサイミア(失感情症)

〔3〕自己評価が低いと仕事は続かない

〔4〕営業HSPの合言葉は「この時間で終わる量じゃない」

〔5〕接客業には1人の時間と神経オフのルーティン

〔6〕事務職HSPは業務内容より席替えを

〔7〕仕事が長続きする怒られ力

クマ先生からのメッセージ

〔1〕仕事がんばる病とHSP


HSPはとても真面目で、仕事にも全力で取り組む。そして回復する間も無く仕事をし続ける。まるで病的と言えるほど仕事に没頭する。

その結果、体調不良になり心が折れて短期間で退職。というケースも少なくない。どうしてそこまで仕事にのめり込んでしまうのか。

HSPが仕事がんばる病になってしまう理由を考えてみよう。

  1. みんなと同じようにできると証明したい。
  2. 「こんなことで弱音を吐いたらだめだ。」と限界以上に頑張ってしまう。
  3. 自己肯定感が低いので、誰かに認められることが価値だと思う。
  4. 真面目。責任感が強い。
  5. 給料や昇進という、努力の結果がわかりやすいもので満足感を得ようとする。

HSPの多くは、体調を崩しがちだったり「周囲とは何かが違う」という思いを抱えている。そして、傷つきやすいので、誰かに迷惑をかけたり怒られることを避けようとする。

だから仕事は「みんなと同じように、もしくはそれ以上の成果を出さなきゃいけない。」というプレッシャーに縛られてしまうんだね。

これは1つの例だけど、幼い頃に勉強や習い事で、親をがっかりさせた経験を持っていたとする。すると、何もできないことが恐怖となり「何かができることが自分の存在価値」と思うようになる。

数字や成果(評価)という、目で見える結果に自分の居場所を見つけ出し、それを失うことが怖くなる。そして、仕事を通して自己肯定感を高めようとするんだ。

しかし、会社では様々な価値観の人が同じ場所で同じ仕事をしている。

「みんなの期待に答えなきゃ。会社がこう言ってるから、私はこうならなきゃ。」

そうやって考えているうちに、自分の心の声は聞こえなくなっていく。そして心身がボロボロになり、こう思う。

「もっと早く、無理・できないと言えていればよかった。いつも身体を壊してから限界だったと気づくんだ。」

普通の人なら限界のずっと前で「疲れた」「やりたくない」など、自己主張ができる。(あまり疲れていなくても、疲れたという人もいる)

そして、仕事の量を減らしプライベートでストレス発散もできる。

なぜ繊細で敏感なHSPは、身体を壊してから感情に気づくのか。感情に時差が出る原因は、 感情を感じる力を失っているからかもしれない。

〔2〕「やりたくない」が言えないアレキシサイミア(失感情症)


HSPが「その仕事は嫌だ、やりたくない」と言えず限界を超えてしまう原因の1つに、感情を言語化できないことが考えられる。

言語化とは、名前をつけることだ。怒ってる・悲しい・興奮してる・楽しいなど、内側から湧いてくる感情を言葉で表現することができないと「悲しいって何?」という状態になる。

アレキシサイミアとは、日本語で失感情症と呼ばれている。

言葉の印象から、無表情でロボットのような人間をイメージするでしょ。でも、そうじゃない。この説明を読んでほしい。

失感情症(アレキシサイミア)はシフネオスが提唱した性格特性です。

自分の感情(情動)への気づきや、その感情の言語化の障害、また内省の乏しさといった点に特徴があると言われています。

心身症の発症の仕組みの説明に用いられる概念ですが、近年は衝動性や共感能力の欠如など、ストレス対処や対人関係を巡る問題との関連が研究されています。

〜中略〜

(心身症の患者に共通する心理的特徴は)あまり生気が感じられず、葛藤状況やフラストレーションがたまる状況では、内省したり困難に上手に対処したりするのではなく、むしろそれを避けるための行動に走ってしまうというのです。

そしてその最大の特徴は「自分の感情を表現する言葉を見つけるのが難しい」ということでした。

そこから感情を言い表す言葉が欠けていること=失感情(言語化)症という概念が出てきたのです。

引用元:厚生労働省e-ヘルスネット

アレキシサイミア(失感情症)の特徴をわかりやすく説明しているのが、ディズニー映画【インサイドヘッド】だよ。

主人公のライリーという女の子の頭の中には、ヨロコビ・イカリ・ムカムカ・ビビリ・カナシミという5つの感情が存在している。

この5つの感情が「司令部」で交互に役目を果たすことで、ライリーは人間らしい感情表現ができるんだ。

ある日、ライリーはお父さんの仕事の都合で引っ越しをすることになった。すると、環境の変化に5つの感情は混乱する。

その混乱の中で、ヨロコビとカナシミは、記憶のごみ捨て場という、長期記憶の保管場所に放り出されてしまう。

ヨロコビとカナシミは「司令部」に戻るため悪戦苦闘する。一方、司令部では残された感情が暴走し、ライリーは友達や家族との「思い出の島」を次々と崩壊させていくんだ。

そしてついに、ライリーは一切の感情を感じなくなった。

まさに、これと同じことがアレキシサイミア(失感情症)の脳内でも起こっている。すると、不快な感覚や嫌悪感をきちんと感じられない。もしくは、しばらくしてから

「あのとき上司に言われたことが、すごく引っかかる。モヤモヤする。」

と、感情に時差が出る。

だけど、言語化できない(名前をつけられない)から「大丈夫。まだ大丈夫。」と思ってしまうんだね。

ここで、アレキシサイミア(失感情症)の概念を確認してみよう。

  1. 自分の感情がどのようなものであるか言葉で表したり、情動が喚起されたことによってもたらされる感情と身体の感覚とを区別したりすることが困難である。
  2. 感情を他人に言葉で示すことが困難である。
  3. 貧弱な空想力から証明されるように、想像力が制限されている。
  4. (自己の内面よりも)刺激に結びついた外的な事実へ関心が向かう認知スタイル。
引用元:厚生労働省e-ヘルスネット

 感情を言語化するのが困難というのは、語彙力や表現力の問題ではない。そもそも、感情を認識することが困難なんだ。

アレキシサイミア(失感情症)の原因には、いくつかの説がある。

  • 右脳と左脳をつなぐ”脳梁”の機能不全
  • 右脳機能不全(ミラーニューロンの発達不全)
  • 生育環境(母親との関係)

つまり、先天的(生まれ持った脳の性質)要因と、後天的(生まれた後の環境)要因、どちらも可能性があるってことだね。

僕の見解としては、HSPの場合は後天的要因が強いと思う。なぜなら、HSPは右脳が発達していてミラーニューロンの働きも強い。

だから、インサイドヘッドのライリーのように、何らかの出来事によって感情を言語化できなくなったと考えられる。

よって、仕事で「嫌だな」「やりたくないな」という不快な感情を感じ取り、周囲に伝えるのが困難になっているんだ。その結果、自分でも気づかないうちに心身は限界を超えていることになる。

〔3〕自己評価が低いと仕事は続かない


どんなに向いている仕事であっても、限界を超えれば体調を崩す。

ここでは、HSPやHSS型HSPが陥りやすい仕事の落とし穴についてお話ししよう。最も注意してほしい点は、次の2つだ。

  • 1つのことに意識が向くと、他がおろそかになる。
  • 集中力が、急に切れる。

HSPの特徴に、深く集中することがある。だから、同時に複数のことをこなすのが苦手だ。

「この前これを失敗したから、忘れないようにしなきゃ。」と思っていると、普段できていたことを忘れてしまったり。

また、刺激を受けやすく脳が疲れやすいので、こまめな休息が必要だ。それを怠って集中し続けると、脳が強制終了しちゃうんだね。

その瞬間に「あれ!?なんでこんなミスしたの!?」っていうミスをしやすい。なぜそうなったのか、自分でも説明できないようなミスを起こす。

かなり集中して、いろんなことに気を配り、失敗せず効率よく動けるように。あらゆることを観察し、頭を動かしながら仕事している人も多い。

自己評価が低いから、周囲を失望させたり、悲しませることを極端に嫌う。「使えない私は、必要ない」 と、自分で自分に高いハードルを設定してしまう。

その結果、許容量を超えて仕事を抱え込むことになる。君は、こんな考えを持っていないかな?

  • じっくり進めるのがいけないこと。
  • テキパキ動ける人が、仕事のできる人。

スピード重視、質より量。これは、仕事の世界でよく言われることだ。だからHSPも、いかに効率よく仕事するかと工夫するようになる。でも、これって結構ハードル高いよね。

「お客様に迷惑かけないことを最優先にする。そのためなら、ゆっくりやってもいい。」

こう考えることができれば、仕事はもっと楽に進めることができるよ。

自信について詳しいお話はこちら。

じゃあ、HSPやHSS型HSPが心身健康で長く働いていくにはどうすればいいか?

具体的な職業を挙げながら、お話ししよう。今回は、営業職・接客業・事務職の3つを紹介するね。

〔4〕営業HSPの合言葉は「この時間で終わる量じゃない」


HSPに営業職は向いているか?

結論を先に言うと、HSPは営業職を避けたほうが無難だね。だけど、これで終わっては君に怒られそうだ。では、どうすれば続けていけるのか、お話ししよう。

まず、営業職の特徴を挙げてみた。これを見れば、HSPに向いていない仕事だという理由がわかるだろう。

  1. 担当件数が多い
  2. 常に監視されている。
  3. 電話やメールが多く、自分のペースが中断される。
  4. 仕事量が多く、1つずつのことにじっくり取り組めない。
  5. 夏は暑くて冬は寒い。気温の変化で体調崩しやすい。

※新規営業は除く

業界によって差はあるけど、既存の顧客に営業する場合、1人で数十件の取引先を担当することもある。営業は、訪問件数や商談件数など、とにかく量を求められる。

1度に複数のことをこなすと混乱するHSPには、刺激が強いと言えるね。

さらに、外回りだから行動予定を常に監視されている。会社は、社員がカフェでサボってないかチェックしたいんだ。

今はそのためのツールがたくさんある。GPS付きのスマホを持たされたり、社内カレンダーでアポの件数をチェックされたりね。

さらに携帯には、業務時間外でも電話がかかってくる。外回りが終わったら、事務所で遅くまで資料作りをしたり、会議に参加したり。成績が良くなるほど雑務も増えて忙しくなる。

これだけ並べると、HSPの苦手なことを全部詰め込んだみたいだね。だから、自己肯定感が低いHSPには、営業職はオススメしない。

だけど、君がしっかり自己肯定感を高めているHSPの場合は、やってみてもいいと思う。もしくは、HSS型HSPなら、やり方次第でとても楽しめる仕事になる。

では、HSS的なメリットについても考えてみよう。

  1. 常に新しい仕事がくる。
  2. マニュアルがなく創意工夫ができる。
  3. 外出できるので刺激が増える。

人と接する仕事だし、決まった商談の仕方はない。自分でやり方を工夫することができる。日中の行動は1人になることが多いから、お客様だけに集中すればいい。

HSPが営業を長く続けるには、次の3点を心得ておこう。

  • やりたいことをやりたいペースでやる。評価は後からついてくる。
  • 仕事に時間を合わせるのではなく、時間に仕事を合わせる。
  • 他人と協力することを意識する。

顧客対応やクレームなど、1人では対処できないこともたくさんある。営業は個人プレーになりがちだけど、周囲に助けを求めてもいいんだってことを覚えておいて。

そして、時間内で終わらない仕事は「そもそもこの時間で終わる量じゃないんだ」と考えること。翌日に持ち越すか、誰かに協力してもらおう。

ダウンタイム(休息時間)もスケジュールに組み込んで自己管理をしよう。

〔5〕接客業は1人の時間と神経オフのルーティン


次は接客業の特徴を挙げてみる。HSPにとってメリットはあるだろうか?

  1. 混む曜日や時間帯が、ある程度予想できる。
  2. 接客のタイミングは、来店があったとき。
  3. お客様1人と接する時間は短め。
  4. 1日で接する人数は、繁忙期であれば数え切れないくらい多くなる。
  5. 目の前のお客様を対応しながら、他のお客様やスタッフの状況も把握するスキルが必要。
  6. 暇でも一定のテンションをキープしなければならない。

この中でメリットとしては、1の混む曜日や時間帯がある程度予想できることだろう。

飲食店や小売店の場合、去年のデータから当日の来店客数を予測できる。だから、何時にピークが来て何時には落ち着くか、予め行動予定を立てることができるね。

(予測通りにいかないこともある)

もしも店舗が選べるなら、暇そうなお店を選ぶこともできる。そうすれば、刺激はグッと抑えることができるだろう。

お客様1人あたりの接客時間は短い。忙しくない店舗なら、接客しない時間のほうが長くなるだろう。

逆に、大型店や繁華街にある店舗は、来店客数が多く1日で接する人数はかなり多くなる。

忙しい店舗は、接客に時間を使うので、その他の業務は営業時間外になってしまう。すると、残業したり休憩時間を削らなければならない。

では、HSS型HSPの視点で接客業の特徴を見てみるとどうだろう?

  1. 日々違う人と接するから飽きない。
  2. 毎日の売り上げという、頑張りがすぐに「数字」という結果で見える。わかりやすい。
  3. 売り上げ目標をどう達成するか?をゲームのように楽しめる
  4. 室内なので、夏は涼しくて冬は暖かい。

接客業は、とにかく毎日違う人を相手にする。これが1番楽しいんじゃないかな。刺激を好むHSS型HSPなら、毎日楽しめる。

しかし、店舗のスタッフだと毎日同じ場所に長時間いることになる。それが苦痛だと続かないけど。

これは営業職にも共通するが、売り上げ目標を達成することが楽しめるなら、メリットは大きい。数字の攻略方法も、自分で考えられる。飽きやすいHSSは、ゲーム感覚で取り組むことができるだろう。

次に、HSS型HSP的にデメリットとなる点も考えてみよう。

  1. 少人数の店舗の場合、同じスタッフと長時間一緒にいる。
  2. 1人で作業に没頭できる時間がない。(常に店内の状況を意識する)
  3. 体調が悪くても、失恋した後でも、笑顔でいなければならない。
  4. 作業の途中でも来店があれば中断するため、自分のペースで仕事ができない。
  5. お客様を観察する時間が長いため、集中力が突然切れることがある。このタイミングでミスしやすい。

少人数の店舗の場合、苦手な人と1日一緒にいなきゃいけないのは苦痛だ。飲食店のアルバイトで同年代が多いなら、暇なときでも楽しいかもしれない。

それから、どんな時も笑顔で元気よくいること。接客業の基本なんだけど。無理して笑わなきゃいけない。大きな声を出さなきゃいけない。こういうのが苦手な人は辛い。

HSP・HSS型HSPが接客業を続けるには、次のことを意識しよう。

  • 休憩時間じゃなくてもトイレに行って、ぼーっとする。(1人の時間を作る)
  • 興奮した神経をオフにするルーティンを探す。(お店を出たら深呼吸を3回するなど)
  • 自分に合った忙しさの店舗を選ぶ。(自分で決められなくても、交渉はしてみる)

接客業は、常に人と接している仕事だから、自分の感情や感覚を見失いやすい。さらに、感情を押し殺してテンションを上げなきゃいけないときもある。

だから、業務時間中でも可能な限り1人の時間を作ったり、興奮した神経を沈めることが大事だ。

〔6〕事務職HSPは業務内容より席替えを


3つめは事務職だ。事務といっても、一般事務と経理や総務では業務内容が違う。今回は、一般事務についてお話ししたい。 一般事務はHSP向きの仕事だからね。

その理由は、事務職には以下のような特徴があるからだ。

  1. データ入力、書類作成などルーティンが基本。
  2. いつどのタイミングでやるか自分で決める。(期限までに終わらせることが前提)
  3. 1人で作業することが多い。
  4. 電話対応、来客対応など適度な刺激がある。

事務の特徴は、毎日決まった業務をこなす点だろう。1ヶ月や1年を通してみれば、シーズンごとに内容は変わるかもしれない。しかし、基本的には毎日同じことをする。

それぞれに締め切りは設定されているから、時間の制限はある。しかし、結果的に時間内に決まった成果物が出来上がれば、自分のペースで動くことができる。

1日中事務所にいるが、仕事のほとんどは1人で行う。電話や来客が多い場合は、ペースを乱されることもある。しかし、翌日まで影響するような刺激にはならないだろう。

だから、一般事務はHSP向きの仕事なんだ。

次に、HSS型HSPの視点でデメリットを挙げて見よう。

  1. 毎日同じことをするので、きるのが早い。
  2. 1日同じ場所にいるので体力が余る。
  3. 成果や成長が数字として見えないので面白みに欠ける。

一般事務のデメリットは、変化に乏しいことだろう。同じ場所で同じ作業を繰り返すからね。成長という点では、最初はいい。できなかったことができるようになるのがわかるから。

でも、1年もすると日々の成長や変化が見えづらくなる。作業のスピードが上がったなど、仕事を数字化して飽きない工夫をする必要がある。

HSP・HSS型HSPが事務職を続けるには、次のことを意識しよう。

  • 作業にかかる時間や、電話に出た件数などを数値化して、変化を楽しむ。
  • 空調があたる席や苦手な同僚の隣などの場合、勇気を出して席替えを申し出る。
  • 体力が余るなら、プライベートを充実させる。(帰宅してから趣味の時間を作るなど)

事務職の場合は、人間関係やデスクの場所など、業務以外のことでストレスを感じやすい。長時間、空調にあたり続けて体調を崩すこともある。

また、隣にいる人が常にイライラしているなら、その影響も受け続ける。席替えを申し出るのは、とても勇気がいることだけど。環境を整えることが仕事を長続きさせるコツだからね。

〔7〕仕事が長続きする怒られ力


最後に、HSPが長く仕事を続けるため必要な 怒られ力(おこられりょく)についてお話ししようこれは、自分を守り周囲と適切な距離を保つために必要な能力だよ。

仕事をしていると、頭ごなしに怒鳴る人と遭遇する。HSPは、怒られることも誰かが怒られるのも恐怖だ。人が怒っているときの、表情・声・ピリピリした空気は見るのも聞くのも嫌でしょ。

しかも、自分が怒られた場合は、

「相手の期待に背いてしまった。迷惑をかけてしまった。空気が読めなかった。」

と、自己否定まで入る。こうなってしまうのは、相手の感情を察知するのが得意で常に気を配り、いい子でいようとするからだ。

こういう人は、きちんと対処方法を身につけることで仕事を長く続けることができる。

ちなみに、日本でHSPをカウンセリングをしている長沼先生の本には、こんなことが書いてある。

大らかな子どもなら、ピリピリした空気を感じ取らないだろうし、したがって、神経を高ぶらせることもないでしょう。

そもそも、そういう子どもは小さくても、支配的な親や先生に対しては反発しますし、支配をかいくぐって、いたずらをしたりもします。

それができなくて、我慢してしまうのがHSPの子どもなのです。

引用:敏感すぎる自分を好きになれる本

そう、HSPが感じている怒りのピリピリした空気感を、非HSPは感じないんだ。

だから、誰かが怒っていてもそこまで動揺しない。そして、怒られても軽く謝ることもできる。大らかで深く考えないからこそ、潔く「ごめんなさい!」と言えるのかもしれないね。

HSPは、怒っている相手が放った矢が、ストレートに心に突き刺さる。そして、ズブズブと深く入り込む。

一方、非HSPは矢が刺さる前に避けたり、素手でキャッチしたりする。刺さったとしても奥まで入らない。

だから、普通に生活していてポロっと取れちゃう。もしくは、矢を矢と思わない。こういうことが自然とできるんだ。

HSPはさらに、怒りの矢を放った人の気持ちも考える。だからこそ、自分は大量出血しているのに相手を心配するんだ。

では、どうしたら怒られ力を身につけられるのか。

それにはまず、怒られてもいい。と自分に許可を出すことが大事だ。そして、相手が怒っていることと自分の抱える悩みを混同しないこと。

具体的に解説するね。怒られ力の低い人の特徴は、こんな感じ。

例)朝、上司に挨拶したら「声が小さい。元気がない。朝からそんなんじゃ周囲のモチベーションも下がる。」と言われた。

低い声で、冷たく言われた。笑顔もないし、目線も合わない。怒ってるんだ、と感じた。

(相手が怒っているという状況)

上司を怒らせたのは、私が内気でコミュニケーション能力が低いからだ。忙しそうにしていたのに、空気が読めない自分のせいだ。

(自分が気にしている悩み)

このように、 自分の気にしている事柄と状況を、一直線に結びつけてしまう傾向がある。その結果、「悪いのは全部自分」と、0か100の思考に陥るんだよ。

これは、深く分析しているようで片方の側面しか見ていないということだ。こういう人は、謝るとき「自分」を主眼にして謝る。

(私が気が気なくて)ごめんなさい。

(私が内気で人見知りだから伝わらなくて)ごめんなさい。

一方で怒られ力がある人は、こう考える。

そんなに聞こえなかったかな。。。

隣で電話鳴ってたからじゃない?

なんかイライラしているみたいだけど、二日酔いで体調悪いのかも。

そもそもあの人いっつも、朝は機嫌悪いんだよな。説教で捕まるのも面倒だから、ここは謝っておくか。

こうして、あらゆる視点から可能性を考えて、自分にも非が数パーセントはあったな。と感じたら謝る。しかし、その場合は起きてしまった状況に対してだ。

(聞こえるようなボリュームで話しかけていなくて)ごめんなさい。

これだけ。そして、自分の席に着くころには、

「さーて。今日は早く帰るぞ♪」

と、気持ちを切り替えている。ただし、怒られ力のある人でも、落ち込むし引きずることもある。それでも、100%自分だけの責任だとは思わない。

最後にもう一度、ポイントをおさらいしよう。怒られ力を高めるには、

  1. 起きた原因と、自分の気にしていることを、一直線に結びつけない。
  2. 謝るときは、自己否定ではなく、あくまで状況に対して。と意識する。

これを意識するだけ。矢が奥深く突き刺さる前に、抜くことができたり、矢を矢と感じなくすることもできるよ。

怒られるのが苦手。ピリピリした空気を感じると逃げ出したくなる。という人は、意識してみて。

クマ先生からのメッセージ


今日の話をまとめよう。

  1. 周囲とは何か違う・何もできないという劣等感が「みんなと同じように頑張らなきゃ」と限界以上に頑張る原因。
  2. アレキシサイミア(失感情症)の特徴は、感情の言語化が困難なこと。感情を認識するのが遅れて心身を壊してから気づく。
  3. HSPは、複数のことを同時進行するのが苦手で集中力が突然切れる。これを意識すると説明できないミスを防ぐ。
  4. 営業職は、HSP向きではない。しかし、ダウンタイムをしっかり取ると継続することができる。
  5. 接客業は、1人の時間を作ったり、興奮した神経を沈める工夫が必要。
  6. 事務職は、作業を数値化し適度な刺激を作る。また、どの席で仕事をするかが業務内容以上に大事。
  7. 仕事では怒りに触れることが多い。怒られ力をつけることで他人の感情に引きずられなくなる。

どうだったかな?

君の素晴らしい能力が、少しでも長く会社で発揮されることを願っているよ。

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