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”男らしさ”に苦しめられる男性HSP。本当の自分を取り戻すには。


モモカ

「先生!先生!玄関に変なクマがいる!」

クマ先生

「大声出してどうしたの?あぁ、あれは僕の友達だ。」

モモカ

「なんだぁ。先生のお友達ね!……ん?何か持ってる…peace…平和…?」

クマ先生

「彼はとても繊細で人見知りなんだ。争いが嫌いで常に平和を願っているから、初対面の人にはあれを見せて反応を確認している。」

モモカ

「なんだか、神経質で頼りなさそうね。もっと男らしくなればいいのに。」

クマ先生

「それは君の好みの話でしょ。男らしさについて違う見方をしてみるといい。きっと感謝の気持ちが溢れてくるよ。」

〔1〕ステレオタイプな「男らしさ」が男性HSPを苦しめる


HSPとは、Highly Sensitive Personの略で〈とても繊細な人〉と訳すことができる。アメリカの心理学者が提唱している、持って生まれた気質のことだ。

とても敏感で繊細な気質を持つ人たちは、人口の20%に存在すると言われている。もちろん、人間だけではない。あらゆる動物にも20%ほど、五感が鋭く些細な変化にも反応するタイプがいるんだ。

そしてHSPに男女の偏りはない。この気質の特徴には、次のようなものがある。

  • 繊細
  •  痛みに弱い
  • 些細なことが気になる
  • 疲れやすい
  • 共感能力が高い
  • 感情の変化に敏感

これって、一般的に言われる「女性らしさ」を連想させると思わない?ここで、ちょっと空想遊びをしてみよう。

目の前にHSPの特徴を持つ男性がいたら、君はその男性をどう評価するかな。おそらく「ナヨナヨしていて頼りない」と思うだろう。

それは、HSPの特徴が一般的に言われる【男らしさ】とは程遠いものにあるからなんだ。どういうことか、具体的に説明するね。

〔2〕力強い男性が求められる世界


みんなが求める「男らしさ」って、こういう感じじゃないかな。

  • 強い意思
  • 集団をまとめる力
  • 稼げる力(獲物を仕留めるハンター性)
  • 決断力
  • 未知の場所にも踏み込む行動力

事実、男性の方が「骨格」「筋肉」など身体的には、女性よりしっかりしていることが多い。脂肪もつきにくいし体力もある。

これらの特徴から、狩りをすることには優れている。自然界の動物を見ても、オスが狩りをしてメスが子育てをするのが一般的だ。(妊娠したメスが、オスを栄養源として食す種類もある!)

じゃあそこに、何をするにも慎重で未知の場所には近づかない。ちょっと攻撃されるとすぐヘコたれる。疲れやすくて、狩りに行ってもあっという間に動けなくなる。そんなオスがいたら?

メスは「こいつの遺伝子はひ弱だな」と判断して相手をしなくなるだろう。

メスが最優先で考えるのは、より強く生命力のある遺伝子を残したいということ。だから、オスに力強さを求める。この自然の摂理が、少数派の繊細なオスを苦しめているんだよ。

〔3〕男女平等の弊害。肩身が狭い男性HSP


では、人間の世界ではどうだろうか?

小さいころから強さを求められた「繊細な男性」はとても肩身が狭い。泥遊びはしたくないし、知らない人がいると泣き続ける。大きな音がする場所や、騒がしいところからは逃げてしまう。一人で本を読んだり動物と遊んでいる方がずっと楽しい。

だけど、周囲からは「強くなれ。男の子だろ。」と言われる。だから強くなったフリを覚えるんだ。仕事に打ち込んだり、横暴に振舞ってみたりね。

しかし、最近は状況が変わっていきた。男女平等と言われ女性が社会進出し、活躍する機会が増えたんだ。

社会に対して勇敢に立ち向かい、自己主張をしながら確実に成果を出していく女性たち。それまで軽視されていた、女性の能力が高く評価されるようになった。

これは、すごくいいことだね。一見、男女の多様性が受け入れられているように感じられる。でもね。実際は、女性のこんな声が聞こえてくるんだ。

「女が家にいる時代は終わったの。働いて社会に貢献し続けたいわ。」

「女なんだから、そんなに頑張って働かなくていいよね。でも、服を買ったり遊ぶときに旦那のお金を使うのは気がひけるから、お小遣いは自分で稼ぐわ。」

「仕事だけできればいいと思ってない?私だって働いてるのよ。あなたの稼ぎだけじゃ生活できないんだから。文句言われたくなかったら、もっと稼いできてよ。」

ね?どっちなんだよ!って叫びたくなるでしょ。

「強い男性のフリ」を覚えてしまった男性HSPにとって、どちらをとっても自分らしくなれない気になってくるよね。

自信満々で有言実行。ピンチにも果敢に挑戦していく。これが唯一の答えだった時代ではなくなったからこそ、混乱してしまうんだ。

〔4〕男性HSPが本当の自分を取り戻すには


ここまでの話で、君は男性HSPがとても生きづらい人のように感じていないかな?

だけど、実際はそうじゃない。選択肢が増えた今の時代だからこそ、男性HSPが自由になれるチャンスは溢れている。

まずは、大前提として「何かができること」が自信に繋がるわけじゃない。ということを知ってほしい。前に「自信には4種類ある」という話をしたね。

君ができることは、誰かができないこと。誰かができることは、君ができないこと。男・女と性別で考える前に、1人の人間として考えてみよう。

穏やかな人は、頼りないとも言える。頼もしい人は、強引とも言える。どういう見方を採用するか自分で決めるんだ。このことが理解できたら、次に進んでほしい。

HSPの特徴として、安心できる環境ならとてつもない能力を発揮できる。というものがある。静かで1人なれて、時間的な制約がない。そういう環境なら何時間でも集中できるんだ。君にも思い当たることがあるだろ?

難しく考える必要はない。仕事と結びつけて考える必要もない。ゲームでも、友達とのおしゃべりでも、散歩でも。なんでもいい。心を解放して取り組んでほしい。

きっと「好きなことに思いっきり取り組んでいる自分」を実感できる。そしたらいつの間にか、ありのままの自分を受け入れられるようになるよ。

クマ先生からのメッセージ


最後に、大事なことを伝えるね。

些細なことが気なる、疲れやすい、1人でいるのが好き。こういう男性HSPにとって、理解してくれるパートナーはとても大事だよ。

仕事や育児で疲れている女性がいたら、何も言われなくてもコーヒーを淹れてあげたり、あったかいお風呂を用意してあげられる。それが男性HSPだ。

ガツガツゴツゴツしている生命力ではなく、ふわっと柔らかく包み込む生命力。それでも現代なら生き延びられるし、好きなことに熱中している姿はとても魅力的だよね。

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