【自分を表現する言葉探し】に振り回されないために


モモカ

「うーん。うーーーん。」

クマ先生

「紅茶を入れたよ♪って、何を唸っているの?」

モモカ

「私ってHSPなの?エンパスなの?アダルトチルドレンなの?調べるほど、何が正しいのかよくわからくなる。」

クマ先生

「どんな名前でも君は君じゃないか。」

モモカ

「それは知ってるよ。でも、自分をズバッと表現してくれる言葉が欲しいと思っちゃう。」

クマ先生

「君たちは何かと名前をつけたがるね。自分を正しく表現する名前を見つけることを、人生の目的にしてはいけないよ。」

〔1〕自分を表現する言葉を見つけても、生きづらさは解消しない


「自分は何者なのか?」「この生きづらさの原因は何?」このように感じたことがあるなら、1度は自分の内面について調べたことがあるはず。

すぐに見つかる言葉は、

  • 発達障害
  • アスペルガー症候群
  • ADHD
  • 自閉症スペクトラム
  • うつ病
  • アダルトチルドレン

もう少し踏み込んで調べてみると、

  • エンパス
  • HSPHSS型HSP
  • 内向型外向型

こんな言葉にも出会うかもしれない。それぞれ、少しずつ違った特徴があるから表現の仕方も違う。もちろん、ここに挙げたもの以外にも、人の内面を表現する言葉はたくさんある。

ところで、君にぴったりの言葉は見つかった?

おそらく「余計自分がわからなくなった」と感じているのではないかな。その原因は、名前を見つけることができれば、生きづらさが解消する。と思っていることにある。

広く認知されている「発達障害」や「ADHD」の場合は、公表すれば生活しやすくなるかもしれない。何かのサポートを受ける権利があるんだ。とお墨付きがもらえるわけだからね。

しかし、実際は国や地域から支援してもらえる人の方が少ない。多くは、自分で心地よい環境を作っていかなければならないんだ。

〔2〕病名がほしいと思う人が陥る思考


名前をつけることの注意点は、個人差があることを忘れてしまう点だ。

肌の色や目の色、生まれた時代。話す言語。価値観。何一つ同じ人間はいないのに、内面のことは同じ言葉で表現したがるんだ。

生きづらさの原因を追求するために、みんな名前を欲しがる。一方で、内面に名前をつけることは悪いことばかりじゃない。もちろんメリットもある。

以下に、メリットとデメリットを挙げておくから確認してみて。

【メリット】

  • 得意、不得意が明確になり、対策を練ることができる。
  • 自分のことを客観的に観察することができる。
  • 人と違ってもいいと、安心感を得ることができる。
  • 周囲に自分のことを理解してもらいやすくなる。

【デメリット】

  • 自分と同じでない相手を批判したくなる。
  • 少しでも当てはまらない部分があると、途端に不安になる。
  • 物事が上手くいかない言い訳に使いたくなる。
  • 内面は変化する。ということを見落としがちになる。

このように内面に名前をつけることは、自分らしく生きるきっかけになる。しかし、視野を狭めてしまう危険もあるということなんだ。

〔3〕本当の生きやすさとは


自分を表現する言葉を見つけても、生きづらさは解消しない。どうやら君は、この事実を疑っているみたいだね。確かに、

「自分が〇〇障害と知って、私の人生は変わりました。」

「周囲と上手く付き合えない原因が△△△症候群だとわかり、とてもラクになりました。」

という人は実際にいるよ。そういう本もたくさん出版されている。だけど、宣伝文句のカラクリに気づかなければいけない。

みんな、自分を表現する言葉に出会って一瞬で人生が変わった、なんて言ってないだろう。そう、変化は見えないところからやってくる。

細かい仕分けにとらわれて、前に進めない状態になっていないかな。それよりも、自分は何が得意なのか?何が苦手なのか、1つずつ確かめていくことの方がずっと大切だよ。

自分が何者かを定義するのは、君自身だ。

それから、社会生活がスムーズに送れるからといって生きやすくなるわけじゃない。

「私は〇〇障害です」と公表することで 様々なサポートが受けられる。

結果的に、仕事や買い物など社会生活は送りやすくなるだろう。周囲の理解を得ることで、本人の心の負担が軽くなることも十分ある。

だけど、君には知っていてほしい。本当の意味で「生きやすさ」とは、人並みの社会生活を送ることじゃない。

どんな自分も大好きになり、周囲も君を大好きでいてくれると、ありのままの自分に価値を感じながら生活していくことじゃないかな。

〔4〕自分を表現する言葉探しに、振り回されないために


最後に、誰かに名前をつけて欲しいと願う君に大事なことを伝えたい。自分が何者かは、最終的には自分が決めるということだ。

それぞれの内面に100%合致する言葉をつけようとするなら、それこそ人間の数だけ必要になる。それに、内面は常に変化していることも忘れちゃいけない。1週間前の君と、今日の君。まったく同じ考えを持っていると言える?

1番大事なのは、どんな状態の自分も受け入れることなんだよ。

注意力が続かないこと。

すぐに疲れてしまうこと。

上手くしゃべれないこと。

背が低いこと。

同性が好きなこと。

両親が嫌いなこと。

こういう、変えたくても変えられない性質や今日は気分が上がらない。

今日は人と話したくない。

急に寂しくなった。

とてもイライラする。

というような、気分的なことも。「そんな私がいてもいい」と、いつも自分で自分を認めて挙げられるようになること。これが本当の意味での生きやすさに繋がるんだよ。

クマ先生からメッセージ


自分に名前をつけて欲しい。という心理は、仲間はずれになりたくない。という気持ちの現れだ。これ自体は、悪いことじゃないよ。しかし【幸せの青い鳥病】になる可能性も秘めている。

名前がないと落ち着かないし、誰かに自分を定義してほしい。こういう考えに縛られることになる。それに新しい言葉が出てくると、すぐに困惑しちゃう。

「今幸せじゃない原因は、ここじゃないどこかにある。」と思っているからね。

もし君が、病院の先生や専門家に国際的な基準で内面を診断されて「〇〇障害です」と言われることを願っているなら、そうすればいい。

だけど、病院の先生や専門家だって生きづらさを一瞬で取り除く魔法は使えない。家庭や職場に付き添ってくれるわけではないし。せいぜい、辛い症状を緩和する薬を処方するか、話を聞いて気づきを促すくらいだよ。

人生の主役は君。先生や専門家は、あくまでも脇役でサポーター。このことを忘れないでね。

関連記事

更新情報について

▷INFORMATION

登場人物について

▷PLOFILE

Twitterフォローしてね!